池田町では早くから牛糞たい肥を利用した米(有機米)づくりに取り組んできました。
一層の地域資源との循環を図り、平成14年11月、たい肥センター「あぐりパワーアップセンター」が完成。
家庭の生ゴミを「資源」とし、牛糞ともみがらを混ぜて良質のたい肥に甦らせるプロジェクトが立ち上がりました。
各家庭では、水切りや食品以外のものの分別を徹底し、新聞紙2枚程度でくるんだ生ゴミを指定の紙袋に入れ、毎週月・水・金とゴミステーションに出します。
これをNPO法人環境Uフレンズが専用の回収車「あぐりパワー号」で回収しています。
町内の生ゴミは回収されると、「食品資源」として魚見のあぐりパワーアップセンターへ運ばれます。
ここで、牛糞、もみがらと一緒に、たい肥(完全無化学の有機肥料)『土魂壌(どこんじょう)』として生まれ変わります。
また最近、たい肥製作過程での発酵時の蒸気から有機の液肥『土魂壌の汗』もつくられるようになりました。
できあがったたい肥などは、町内の農家や一般家庭で使用されるほか、福井市のショッピングセンターにあるアンテナショップ「こっぽい屋」でも販売されています。
このたい肥とゼオライト等を混ぜた園芸用の土『土魂壌の土』も開発・販売されるようになりました。 そして町内では、このたい肥を混ぜ込んで、安心・安全な農作物を作る取り組みが進められています(ゆうき・げんき正直農業、特別栽培米など)。
このようにして、「食」はまた「食」として戻り、地域資源が「輪」となってつながっていきます。 単純だけどなかなか真似できないのが、この「輪」のしくみです。
生ゴミを分別し、食品資源として出す町民、回収するボランティア、たい肥に再生するパワーアップセンター、たい肥で作物をつくる農家、農作物や肥料を売る販売店、そして良質なものを買い求める消費者。
どれが欠けてもこの「輪」は成り立ちません。
池田町が目指しているという「地域資源連結循環型農業」は、「モノ」のリサイクルだけでなく、この「輪」のしくみによって、人々の暮らしや行動、そして人の心もつながって、循環していくのです。
|