菜の花による景観づくり
かつてはどこの家にでも、灯り取りのために植えられていた菜の花。
最近ではごくわずか食用に作られる程度ですが、この菜の花を、転作など農地の有効利用に活用しようという取り組みが「菜の花プロジェクト」です。
春に一斉に咲く一面の菜の花の美しさも楽しめ、収穫された菜種からは上質の食用油が取れます。
そして、絞りかすは肥料になりますし、廃油はバイオディーゼルとして再生が可能です。
このように菜の花は、地域資源循環の大きな環をつくりだすことができる作物なのです。
菜の花栽培と商品化
池田町内では、まず、平成17年度に菜の花の試験栽培(2ha)を始めました。
池田町の土壌や気象条件にあった栽培方法を検討しつつ、生産技術や輪作体型との関係など、福井県農業改良普及センターの指導も受けながら進めています。
豪雪のために生育が遅れるなどの影響も受けましたが、町内各所に美しく咲く菜の花畑が広がりました。
道行く人々の目を楽しませ、新しい名所(景観資源)としても期待できそうです。
また、菜種油としては約220kgの収穫があり、商品として売り出す予定です。
なお平成18年度は、菜の花同様に景観・環境保全・温暖化防止に役立つヒマワリの栽培も試みました。
通年での運営に努めていきます。
廃食油の回収・再生・利用
菜の花プロジェクトの一環として、池田町内で使用済食用油の回収を、平成17年より開始しました。
家庭内で破棄される天ぷら油を、町内のガソリンスタンドで集め、町内の飲食店で消費された廃油とともに、毎週木曜日に回収しています。
回収は食Uターン事業で食品資源(生ゴミ)回収を担当しているNPO法人環境Uフレンズが行っています。
回収された商用油は、提携先の滋賀県内のガソリンスタンドへ運ばれ、バイオディーゼル燃料(BDF)として再生されます。再生されたBDFは、食品資源回収車「あぐりパワーアップ号」や池田町の公用車の動力エネルギーとして活用されています。
現在の菜の花プロジェクトによる主な成果としては、次のようなものが挙げられます。
1)ゴールデンウイークに咲く一面の菜の花を、観光資源として活用できる
2)菜種油と油かすは、地産地消の高級食材や有機農業の肥料として活用できる
3)個人や飲食店からの廃油の回収作業により、環境意識が向上する
4)再生したバイオディーゼルを利用することにより、地球温暖化防止を推進できる
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